八百長問題で日本相撲協会はきのう(2011年2月6日) 、臨時理事会を開き、3月の春場所(大阪)の中止を決めた。放駒理事長は「ウミを出し切るまでは相撲をお見せするべきでない」として、年内の地方巡業も全て中止した。
警視庁から示されたデータでは、これまでに14人の力士の名前があがっているが、特別調査委の聞き取り調査で八百長を認めたのは、春日錦、千代白鵬、恵那司の3人だけで、11人は否定(一部報道ではあと1人が認めたとも)した。14人以外にはいないのか。調査には1、2か月かかるとしている。理事長は「調査が終わり処分が出るまで、本場所は厳しい」と言っており、調査の進捗次第では5月の夏場所も微妙になる。どっちにしても前代未聞の事態だ。
スタジオには相撲ジャーナリストの杉山邦博と元十両の日出ノ国太子郎。
みのもんた「相撲は2人でとるんだから、八百長の人数は倍になる」
日出ノ国「ウワサには聞いていたが、表に出てしまうとOBとしては残念。やってる人間、疑わしい人間を徹底して洗い出して、また新たな場所にしてほしい」
杉山「放駒理事長は立派でした。誠実だし説得力もあった。『場所をやってはいけない』というのは、自分の言葉だった。年寄り制度、部屋制度、茶屋制度が八百長と無縁ではない。関取になれば祝儀が入り、客も来る、師匠も部屋も潤う。幕下に落ちたらいけないとなる」
齋藤亨将「郷土に愛される力士になりたい」
ここで素敵な相撲取りの卵が登場した。山形の15歳の中学生、齋藤亨将くんだ。身長184センチ、体重140キロ。高田川部屋入りが決まっていて、この春場所が初土俵のはずだった。冬休みには1週間の泊まり込み稽古までしていた。
その彼がみのとの電話で語った言葉がよかった。
みの「春場所中止はどうして知ったの?」
齋藤「お父さん、お母さんです」
みの「新弟子検査(2月15日)は?」
齋藤「あると聞いてます」
みの「通る自信は?」
齋藤「かなりあります」
みの「目標は?」
齋藤「山形出身の柏戸関です。今でも語り継がれている。郷土に愛される力士になりたい」
ビデオでも「身体ひとつでぶつかりあうスポーツですから、どこまでいけるかやってみたい。体験入門で見た稽古は本当に熱い稽古でした。真剣にひたむきに打ち込んでいたので、(八百長でも)イメージ自体は変わってません」と語っていた。
ここで杉山「あなたはいい部屋に入った。高田川親方(安芸乃島)は立派な方ですから」
みの「もしかするとなかなか解決しないかもしれないよ」
齋藤「なんだかんだいっても解決してくれると思います」
みの「しっかりしてるなぁ」
各界の薄汚さに比べて、この爽やかさはどうだ。こうした新弟子たちの夢をブチこわし続けていることを、相撲協会はどこまで自覚しているか、「八百長は今回ケース限り」として相変わらずウヤムヤにしようと躍起の幹部たちを見せられると誠に心許ない。
日出ノ国「こういう夢をもった若い人がささえてくれると思います。(ビデオの)四股を見てると、股関節が固そうだな」(笑い)齋藤「まだちょっと固いです」(笑い)
さすが日出ノ国、ビデオを見ただけでわかった。「しっかり柔軟しないと、大きなけがにつながる」
この亨将くん、バスケットボールのほかに、陸上の砲丸投げをやっていて、昨年の中学総体では大会新記録で優勝しているという。暗い話で始まったのが、終わった時は、スタジオがすっかり明るくなっていた。新しいスターになりうるのか。
みのは「応援しましょう。強そうな対戦相手は、前の晩に徹底的に飲ませたりして…」(爆笑)