八百長相場「幕下3~5万円、十両20万円、横綱・大関50~100万円」

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「八百長は20年以上も前からあった。横綱から三段目までみんなやっていた」

   こう証言するのは十数年前まで現役だった元力士。「とくダネ!」は2人の元力士を取材、八百長の実態を明かす生々しい証言を伝えた。

   日本相撲協会の存続が危ぶまれるなか、「過去には一切八百長はなかった」(放駒理事長)と、たまたま昨年だけ不心得者がやったということにしたいようだが、納得する国民、相撲ファンはいないだろう。

ガチンコ力士の方が少数派

   10数年前まで現役だった元力士Aはこう話す。

   また、元力士Aはグループぐるみの八百長似も触れた。

「23年前、まだ幕下だったころ、対戦相手の部屋の新弟子が支度部屋に八百長を持ちかけてきた。『今日どうですか?』みたいに。それで、『じゃあ相撲はこうやっていきますよ』って。
   そのころは携帯電話がなかったので、支度部屋に来て話をする。もう、しょっちゅうだった。(八百長は)横綱、大関から十両、幕下、三段目まで全部あった。
   十両の時で20万円ぐらいだったかな。横綱、大関になると50万円とか100万円とか。横綱なら対戦相手に負けてくれと言うのよ」

   やはり十数年前まで現役で八百長に手を染めていたという元力士B は、「3万円から5万円で星のやり取りをしていた。八百長をやらないガチンコ勝負のガチ力士のほうが少数派だったね」と平然という。

数人で星融通し合う「まわし」

「5~6人でグループを作り、星を回す『まわし』という八百長もあった。星を回して全員が負け越さないように調整する方法で、これだとお互いに金は要らないわけで、ウラで長年にわたり行われてきた」

   以前から、幕下から十両に上がるのは大変難しいといわれていた。天国と地獄の違いがあるという十両から幕下への転落防止をこの「八百長互助会」で画策されては、いくら稽古して頑張っても、若手が上に上がれないのも道理だ。

   ここで笠井信輔アナが1冊の本を取り出した。相撲好きという米シカゴ大学の経済学者が書いた「ヤバい経済学」。学者が指摘したのは、千秋楽で星が「7勝7敗」の力士と「8勝6敗」の力士が対戦すると、「7勝7敗」の力士が「8勝7敗」で勝ち越すケースが79.6%だったという。単純計算でも勝つ確率は五分五分だから、80%近い勝率は異常だ。学者は「とても八百長がないなどと言い張れない」という。

   スタジオにガチ力士と言われた元関脇・隆乃若の尾崎勇気が生出演。小倉智昭キャスターの「今の状態を見て辛い気持ちでしょう?」に、「今までさんざん八百長の噂を聞かされてきましたが、『ない』と言われればそれが通ってきた。今回、決定的な証拠が出て、一部でそういうことが行われていたことが分かり残念でたまりません」と話した。

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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