動画サイトのYouTube(ユーチューブ)でいろんな動物の姿を見ていると、そのうちに彼らと人間の違いはなんだろうと真剣に考え出すのは自然の成り行きと言えるだろう。
人間の人間たる所以は、たとえば学校でもいくつか教わったはずだが、ユーチューブの動物たちにはほとんど通用しない。常識が働かないおそろしい世界である。人間はなんなのか、人間にしかできないこととはなんなのか、と不安にならざるをえない。
「人のように歩いた!」と再生250万回
その意味で、近頃のユーチューブで大いに話題になってるのは、ローランドゴリラの「アンバム」だ。英国の自然動物園で暮らしているこの独身男性の動画「Gorilla Walks Like A Man!」は2月1日(2011年)現在、約250万回も再生されている。
彼が脚光を浴びているのは、動画タイトルにもあるように、その歩き方ゆえである。これまでの常識に従えば、ゴリラという動物は4足の斜めの体勢でのそのそと歩くhttp://www.youtube.com/watch?v=tvrWyiZfy5Iはずである(もっとも、走ったときはおそらく人より速いという)。
アンバムは後ろ足2本で立ったまま、1歩2歩と「人間のように歩く!」。その様子は若干前のめりで、多少ぎこちないが、約20歩、数十メートルの距離を安定して歩く様がカメラに収められている。
直立2足歩行――。この行動は、人間の専売特許のように思われがちだが、少なくともユーチューブを見る限り、それはとんでもない思い上がりである。
ボンド柳生