キャスターの小倉智昭のオープニングトークは、サッカーアジアカップ優勝の歓喜で始まったが、テーマは「日の丸」だった。
「野球もバレーボールも代表戦になるとみんな見るでしょ。日本人って代表戦がとくに好きなんですね。日の丸に対する思いってあるんではないかな」
話が飛んだのは、日の丸への起立や君が代斉唱をしなければ処分するという東京都教育委員会の通達をめぐる控訴審判決が、28日(2011年1月)に東京高裁であったから。判決は処分を憲法と教育基本法に違反しているとした一審判決を取り消し合憲したが、小倉は高裁の判断には触れずスポーツと日の丸についての持論を展開する。
「代表選の応援にも繋がってる」
「僕らのようにスポーツをやってきた者にとって、どこかで日の丸をつけてやりたいという思いがズーッとあった。
日本は敗戦でゼロから立ち直って、さまざまな場面で何とか強くなりたいという気持ちがあった。その象徴が日の丸であったことも確か。それが代表選の応援にも繋がっているんだと思う」
他国には似たような図柄の国旗が多く見分けがつかない中で、鮮明、清廉、清冽、最高の国旗を持ったと感じる。まして優勝した選手たちは、高く掲げられた時にはなおさらだろう。
ただ、問題は「君が代」。人によっては重厚と取るかもしれないしさまざま意見があるだろうが、気持が高揚するには程遠い重たい旋律で口ずさむことはまずない。
で、日の丸礼賛の小倉が「君が代」について一言も触れなかったのには、やはり何か理由があるのだろうか……。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト