都心の遊園地として、休日にはとくに賑わう「東京ドームシティアトラクションズ(旧「後楽園ゆうえんち」)で30日(2011年1月)に転落事故が発生し、会社員の男性(34)が亡くなった。
管理・運営する東京ドームは「安全管理に問題はなかった」と説明するが、この遊園地は昨年11、12月にも相次いで事故があったばかり。「とくダネ!」は安全確認について弛みがあったのではないかと取り上げた。
安全確認はバイトの目視だけ
事故が起きたのは「スピニングコースター舞姫」。380度回転する4人乗りの座席が、全長300m のS字型のレールの上を最高速度約40キロで蛇行しながら上り下りする。
男性はスタートから約30秒後に、カーブ付近で約8メートルの高さから転落した。座席の安全バーは出発前に乗客が手前に引き、そのあと係員が手で再度確認する決まりになっているという。安全確認したのは大学3年の女性アルバイトだった。
東京ドームは事故後の記者会見で、「コースターの構造や安全管理に問題はなかった」と説明したが、記者から「事故が起きた時、安全バーのロックはどんな状態だったのか」など具体的な質問が出ると、「わかりません」を繰り返した。実は、女性アルバイトは目視だけの安全確認で、「(安全バーが)下りているように見えた」ので「手による確認はしていなかった」という。
小2女児がケガ
東京ドームシティでは、昨年11月に「タワーハッカー」を点検中の女性従業員が指3本を切断する事故があったほか、12月には「サンダードルフィン」のボルトが落下、下にいた小学3年生の女児がケガをする事故も起きている。
「スピニングコースター舞姫」に乗ったことがあるという笠井信輔アナは次のように指摘する。
「見た目は激しそうに見えない。そのあたりにスキが生まれるポイントがあるのかもしれません。宙返りするような激しいものであれば、手で確認しなければと思うが、ミニコースターのためアルバイト従業員は目視だけで手の確認をしなかったのかも…」
安全バーはロックされると「カチッ」と音がするらしいが、そんな確認もしなかったのか。専門家は「ロックされた時にランプがつくようにすればいい」と指摘するが、慣れが原因だとすれば、それも効果は期待できない。