「新幹線生んだ昭和のプロフェッショナルたち」技術立国へのヒント

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悩むとか反省するとかなかった

   時速250kの壁を超える格闘が始まった、島の指揮で河辺がATC(自動列車制御装置)を開発するなど、スピード、安全、正確の3条件がすべて揃った。この間の模様を開発に参加した久保敏は次のように語る。

「皆が向いている方向、ベクトルが一致していた。後ろを向いて走るのではないんですよ。悩むとか、反省するとか、楽しいとか、苦しいとか考える暇はなかった」

   新幹線は東京オリンピック開催9日前の39年10月1日、東京―大阪間で開業した。この時、フランス国有鉄道の副総裁が語った言葉が印象的だ。

「世界のすべての鉄道は日本国有鉄道に感謝しなければならない」

   スタジオではタレントの松尾貴史が「皆が共通したイメージを持って進んでいた時代があったなと思うと、僕らもできないはずはないなと感じる」と語った。

   「週刊朝日」編集長・山口一臣「今はできない理由ばかりを考える人が多すぎる。できるという前提でものを考え進む力を学ばねばいけないですね」

   技術立国を目指す土壌はしっかりある。あとは今の苦境を乗り切ろうという政官財の一致した心構えだけか……。

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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