就職氷河期に惑わされるな!大企業ばかりが会社じゃないぞ

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   大学を卒業しても5人に2人は就職できない厳しい就職氷河期。ところが、中小中堅企業に対象を広げて細かくデータを分析すると、結構仕事が多いという。大企業志向が強く、中小企業を敬遠することから来るミスマッチが背景にあると「スパモニ」は指摘する。

   厚生労働省が発表した今春卒業見込みの大学生の就職内定率は57.6%(2010年10月1日現在)。これだと5人に2人は就職できない。

   卒業式まであと2か月足らず。「すぱもに」は寒風の中で最後の就活に取り組む4年生の姿を追ったが、リクルートワークス研究所が調べたデータを細かく見ると、ちょっと様子が違う。

   たしかに、従業員数5000人以上の大企業への就職希望者8.9万人に対し求人数は4.2万人。求人倍率は0.47倍でほぼ2人に1人しか入社できない。ところが、従業員300人未満の中小企業を見ると、求人数30.3万人に対して就職希望者6.9万人で、求人倍率は4.4倍となっており、就職先がないわけではない。

中小企業の求人倍率は4.4倍

   このミスマッチについて、まずジャーナリストの鳥越俊太郎が次のように指摘した。

「世の中、先行き不透明で、取りあえず大きいところへ入っておけば安心だという思いだろうが、気持ちは分からないわけではないが、、安定的な生活を求めたいという気持ちが強いような気がする」

   鳥越のいた毎日新聞もかつては経営破綻寸前までいき、順風満帆というわけではなかった。それだけに、安定志向にばかりとらわれ過ぎることに批判的なのかもしれない。

   競馬新聞や夕刊紙「日刊ゲンダイ」に就職した作家の吉永みち子となるともっと厳しい。

「私は大企業に1度も入ったことがない。中小企業も中小企業、小さな会社からスタートした。人間ってどう転んでいくか分からない。就職し、仕事を得たなら、精一杯生きるしかない。若い時はやり直しもできるのだし…」

   そこで経済アナリスト・森永卓郎が焦る4年生に提言をする。

「新入社員を使い捨てにするブラック企業があることも事実だが、中小企業でもちゃんとしたところはちゃんとしている。それを見極める努力が必要だ」

   最後に鳥越が「今の学生たちが育ってきた時代背景もある。ゆとり教育で苛烈な競争の中で育ってきていない。草食系でガツガツしていないし、競争に打ち勝つというイメージがない」という。

   こういうご時世になったのだから、中小企業も結構。肉食系に転じ、ガツガツ生きろという時代というわけである。

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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