アンドロイドはどこまで「人」になれるか―似れば似るほど不気味

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間もなくアンドロイドを市販

   国谷が「自分のアンドロイドを持っているのはどんな気持ちですか」と聞く。

「遠隔操作でしゃべっている唇が僕の喋る通りに動いているし、頭も同じように動いている。自分のからだが乗り移っているような感覚が出てくる。アンドロイドが人に突つかれれば、自分が突かれているようで、けっこう嫌なものです」(石黒浩教授)

   石黒教授は昨年4月、アンドロイドを市販すると発表した。国谷が「人間の機能を持ったアンドロイドが出てくると、私たちっていったいなんだろうかと考えてしまいますね」と聞くと、石黒教授は「そうした技術に照らし合わせながら人間とは何かを探求していく気がする」と答えた。

   ただ、テレビ画面を通してアンドロイドを見る限り、まだまだ開発途上の人形に見える。むしろ、逆に不思議に感じたのは、頷くことや瞬きもなくじっと静止ながら豊かな表情で多くを語りかけてくれる仏像、まるで生きているような人形浄瑠璃のリアリティーだ。

   将来、アンドロイドとこれら芸術の世界が一体になって初めて「私たちってなんだろうか」となるのかも…。

NHKクローズアップ現代(2011年1月12日放送「アンドロイド『人間らしさ』の追求」)
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