今年(2011年)はスキーが日本に伝えられてちょうど100年。冬本番を迎えてスキーシーズン真っ最中だが、ルール無視の暴走スキーヤーも急増中だ。
「スパモニ」は国内最大級のゲレンデを誇る長野県白馬村野八方尾根スキー場のパトロール隊に密着、暴走スキーヤーの実態を伝えた。
禁止無視してコース外で事故
パトロール隊本部に飛び込んできたのがゲレンデでの事故。隊員が駆け付けると、初心者コースで男の子が身動きできないでいる。真夏のオーストラリアから家族6人で来たという。男の子は全身を強打しており、救命ボートでふもとの病院に搬送されたが幸い軽傷ですんだ。
続けて救助要請があったのも、やはりオーストラリアから来たという4人組のスノーボーダー。その中の男性1人が転倒して左肩を強打、脱臼の可能性もありタクシーで病院へ。
このスキー場も年々スキー客が減少しているが、オーストラリア人を中心に外人スキーヤーは増え、昨年は4万人以上が外国人だったという。
最近、ゲレンデでの事故とともに急増しているのが、禁止されたコース外滑走。ネットや看板で規制しているが、無視する外国人スキーヤーやスノーボーダーが増える一方で、違反者の9割は外国人という。
もちろん、日本人客もルール無視は少なくない。カップルのスノーボーダーがコース外に出て林の中に突っ込み、身動きが取れなくなってしまった。パトロール隊員の誘導でやっとコースに出たが、コース外に出た言い訳は「気持良さそうだと思ってから」
長嶋一茂(スポーツ評論家)がここは出番と、次のようにコメントする。
「僕もスキーをちょっとやるんですが、新雪滑降ってホントに気持ちいいんですよ。ただ、川や崖が雪で隠れて分からなくなっている。パトロール隊はそういう危険個所が分かっていて禁止している。事故が起きれば皆に迷惑をかける。若気の至りでは済まされないですよ。
外国人の違反者ですが、外国ではヘリで頂上まで連れて行き、滑らせる。禁止エリアという考えがないんですよ」
パトロール隊は「スキーに対する文化の違いがある」というのだが、コース外滑走禁止のルールは雪崩などの危険エリアを知らせるためのもの。郷に入っては郷に従わせるべきだろう。