新年早々、119番通報が4時間半もかからなくなる事態が東京で起きた。
「平時のうちに、どう対応すればいいか確かめておく必要があるんじゃないですかね」
危機管理の甘さにスタジオでは厳しい意見が噴出した。
故障が起きたのは東京消防庁の通信指令センター。5日(2011年1月)午前10時25分ごろ、119通報を受理し現場に最も近い部隊を検索し指令を出すシステムが作動しなくなった。
やむを得ず復旧するまでの4時間半、119番通報を手動で処理。ヘリでパトロールしたり、職員がビルの屋上で火災の警戒に当たるなど対応にてんやわんやとなった。
この間、八王子市では火災の発生を近所の住人が見つけ119番通報しても通話できない状態が起こった。火災は近隣への延焼を免れケガ人もなく鎮火したが、前例のないトラブルの原因は不明で、調査中という。
手動運用のチェック必要
スタジオでは、鳥越俊太郎(ジャーナリスト)が次のように指摘した。
「いま日本の社会は、消防に限らず、銀行、鉄道、電力会社はコンピューター制御されていて上手くいっている。ただ、銀行でもあったが、時々システムがダウンし、人力が追いつかなくててんやわんやする。脆弱といえるかどうかは分からないが、コンピューターに頼り切っている社会はある種の弱点を抱えていると思う」
防災危機管理ジャーナリストの渡辺実は「長い間大震災を経験していないので、こうした場合を想定し手動で運用する時のチェックが必要ではないか」
漫画家のやく・みつるやテレビ朝日コメンテーターの三反園訓も「平時のうちに、どう反応するか考えておくのが良いんじゃないか」と、口をそろえる。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト