暮れから新年にかけて山陰地方を襲った大雪で、鳥取、島根両県で452隻の漁船が転覆・沈没するという前代未聞ともいえる被害があった。まさか雪で船が沈むとは予想できなかったようで、漁業関係者は大きなショックと受けている。「とくだね!」は、レポーターの大村正樹が現場に向かい、実情を報告した。
魚群探知機など機械類全壊
カニの水揚げでは日本一を誇る鳥取県。米子の魚市場では「ほら、買って、買って」という掛け声が寂しく響く。今年の初競りは水揚げが少なくわずか10分で終わった。売り上げも例年の10分の1にとどまったという。
境港に行くと、水面には船から流れ出た油が漂う。沈没した船の引き揚げ作業が始まっているが、それを見守る漁師さんたちの表情はうつろだ。引き上げられた漁船は、内部の魚群探知機など機械類が全壊している。持ち主は「もう言葉も出ない。あきらめた」
嵐が来たわけでもないのに、なぜ転覆・沈没したのか。「とくだね!」は海上技術安全研究所の協力で模型を作り、そのメカニズムを探った。船には復元力があり、傾いても元に戻る力が働くが、今回は船全体に想定以上の重みがかかったため、復元力が機能せず、そのまま全体が沈み沈没したという。
漁船は引き上げても修理代に1000万円、新しく購入するとしても1000万円かかる。中古船でも500~600万円だ。司会の小倉智昭が「保険はどうなの」と聞くが、取材した限りでは、1000万円もの保険をかけていた人はなく、多くの人が200万円までだったという。
「大雪でこういうニュースは珍しい」と小倉。コメンテーターの眞鍋かをりも「こういうことがあるんだってこと、初めて知りました」
珍しいニュースのその後を追いかけたのは、「とくだね!」独自の視点といえるが、せっかく東京からレポーターを出したのだから、今後の漁業への影響や行政の対応などにも触れてよかったのではないか。