思った通りにはいかない人の死に際、最後の後始末。とくに遺族にとって悩みのタネは葬儀をどうするか。悩む暇なくバタバタと葬儀社の言いなりになってしまう。
そこで、ひとまず遺体を安置してゆっくり遺族に考えてもらおうという「死者のビジネスホテル」なるものを「スパモニ」が取り上げた。
チェックイン後は冷蔵室に安置
ネーミングに少し工夫がほしいところだが、年明けから本格稼働するという。特定非営利活動法人「りすシステム」がこのホテルを建てたのは東京・新木場。松島如戒相談役が「ここが亡くなったご遺体を安置・保管する『死者のビジネスホテル』です」と出迎える。
利用者は入口で申込書と死亡診断書を提出してチェックイン。遺体の取り違いを防ぐため、ここで遺体と申込書両方にバーコードを貼り室内へ。
感染症予防のため、殺菌灯が設置された処置室に運ばれ、最後は常時5度に温度管理された冷蔵式の遺体安置所に納められる。この遺体安置所は37遺体を管理でき、何日泊っても制限ない。
このホテルを建設した理由について、松島相談役は「病院からいったんここに安置し、遺族の皆さんが葬儀のことなどを落ち着いていろんなことを相談し決める。ゆとりの場として造ったわけです」という。
1泊7350円
1泊の料金が気になるが、スタジオでは森永卓郎(経済アナリスト)が「高いのではないかな。3万円ぐらいすると思う」
ふかふかのベットに風呂トイレ付というわけでない。ちっと高すぎでは。すかさず鳥越俊太郎(ジャーナリスト)が「1万5000円」。正解は1泊7350円という。
平均的な葬儀費用は、日本消費者協会が今年調べたところでは、僧侶への支払いを含めた総額が平均で199万9000円。3年前の230万円に比べ下がってはいるが高い。その原因の一つが、96%が他の葬儀社との比較なしに決めてしまう点にあるようだ。
吉永みち子(作家)の提案。
「生前にやっておくことに、家族は遠慮があって考えないような風潮が多い。やはり本人が生前に…」
これに鳥越が同調し、「ブームまでいっていないけど、エンディングノートに本人が後始末をきちっと書いておけばいい。僕も書かないかといわれている」
それにしても、いつからこんなに金のかかる葬儀になったのか。死者をあの世に送るのはお金じゃない心だよと言いたいが……。