利益の国外持ち出しは禁止
グラミン銀行のアハマド・ユヌス総裁はこう語る。
「ひとたび外国企業が参入すると、国の経済を支配しお金を奪い去っていく。新たな経済帝国主義といえるものです。それを防ぐために、私たちのビジネスでは利益追求を認めません。代わりに社会問題の解決を追い求めるのです」
キャスターの国谷裕子が「利益を外に持ち出さないという原則、信念は相当固いものなのでしょうか」と、貧困ビジネスに詳しい北海学園大学の菅原秀幸教授に聞く。
「これまで途上国は収奪されてきた。もはやそれは許さないというのがユヌス総裁の強い信念。どうやって相容れる状態に融合するかです」
菅原教授によると、日本の中小企業はバングラデシュが必要とする技術をたくさん持っており、「日本人が本気でやりだしたら必ず世界のキープレヤーになる」と太鼓判を押す。
ユヌス総裁も「日本企業の技術をバングラデシュで役立てて欲しい」と望んでいるのだが、皮肉にも最大の壁が彼の固い信念。その信念を少し柔らかくすることで相容れる融合策が生まれるのかもしれない
モンブラン
*NHKクローズアップ現代(2010年12月15日放送「『貧困層ビジネス』グラミン戦略の光と影」)