過激な性描写のある漫画の販売を規制する東京都の青少年健全育成条例改正案が2010年12月15日の都議会で可決された。この問題をめぐっては、表現の自由との関連でさまざまな論議を呼んでいる。「とくだね!」では、問題とされそうな漫画をスタジオに持ち込んで、司会の小倉智昭やアナウンサーの中野美奈子ら出演者全員が読んで感想を語った。
主婦「賛成」、若い人「不支持」
小学生でも手にとれる、成人向けではないコーナーに置いてある漫画という。パラパラとめくりながら、コメンテーターの眞鍋かをり(タレント)は「かなり、結構、過激ですね。ほとんどのページがそうですね」
中野は「親の立場からすると、こういうものが学校で興味本位に回し読みされたりすると不安ですね」
これに対して、小倉は「親や大人の読んでいるものを隠し持って、ヒソヒソ読みながら大人になっていったという記憶がある。アダルトビデオなんか、もっとひどい。他にも規制すべきものがネット上で氾濫しているのに、なぜ、漫画だけなのか」と疑問を投げかける。
レポーターの大村正樹が街の声を聞くと、母親たちはだいたいが規制賛成派だが、若い人たちは不支持が多い。同時に、インターネットを通して手に入れるなど抜け道はいくらでもあるという。大村が尋ねた書店の主人も「対面で買いにくいものはネットに流れる」と認める。
文芸評論家でもある福田和也(慶大教授)「現状はもっと進んでいる。規制をかけること自体の意味が問われる」
芸能デスクの前田忠明「ネットの方が問題だと思う」
今回の規制に反対する出版界では、大手の漫画出版10社が石原慎太郎都知事が実行委員長を務める来春の東京国際アニメフェアに参加拒否を打ち出している。まだまだ、尾を引きそうである。