きのう(2010年12月13日)開かれた民主党役員会は、小沢一郎氏の政倫審出席の扱いを岡田幹事長に一任した。しかし、小沢が応ずる可能性はなく、岡田が政倫審の議決に持ち込めば、党内の亀裂はさらに深くなる。
世論調査では、小沢は政倫審で説明すべきとする声は77.8%と圧倒的。これに対処できない党執行部への風あたりは強く、内閣支持率は軒並み20%台前半に落ちている。
小沢はそんなことはおかまいなし。検察審査会での決議から起訴されるのだから、国会での説明は要らないという。岡田は司法手続きと政治的説明責任とは別との立場。野党への譲歩でもある。しかし、政倫審出席は本人の同意がないと実現しない。本人にその気がないとなれば、なるようにしかならない。
菅首相は先に「これまでは仮免、これから本免許」と、変ないい方で小沢との対決をにおわせたが、どこまで本気なのか。この問題をはじめとする首相の煮え切らなさが、支持率に表れているというのに、どうもスッキリしない。ただ、会見での岡田幹事長はちょっと笑みを含んでいた。あれは何なのか。
菅首相はきのう、「9月の代表選で、小沢さんは国会が決めれば応ずると国民に約束している。それを守ることが本人にも党にもいいことだ」といった。小沢が応じないことは百も承知での発言だ。
「静かにしていて」で人気出たのに…
コメンテーターの渡邊美樹・ワタミCEOは「(小沢氏は)やましくないというのなら出てくればいい。本来の国会の仕事をよそに、この国の政治はどうなっているのかと思う。菅さんにしても、だめなら出て行きなさいとなぜ言わないのか」
キャスターのテリー伊藤「国民はこんな党に投票したわけではない。もっと若手の生きのいい人が出てこないものか。このままでは次の選挙勝てない。民主党、もったいないよ」
これがおそらく国民の声なのだろう。
国民は小沢にうんざりしていても、批判は「一兵卒」を始末できない菅執行部の支持率低下に向く。菅の支持がこれまでで一番高かったのは、代表になった当初、「小沢さんはしばらく静かにしていて」と言ったあのときだ。他に 選択肢はないと思うのだが、なんとも煮え切らない。