今年もっとも輝いた女性に贈る「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2011」(日経ウーマン主催)が6日(2010年12月)に発表された。キーワードは「何も捨てない女」。その1位となった東芝研究開発センター・マルメディアラボラトリー主任研究員、福島理恵子(39)を「スパモニ」が取り上げた。
福島はいま注目されている専用メガネのいらない裸眼3Dディスプレーを開発した気鋭の研究者だ。今年7月には発明協会から「21世紀発明賞」を受賞している。
家庭では同じ研究者の夫(41)と小学3年生の一人娘(9つ)と3人暮らし。「自分のことは自分でやる。時間で分けねばならない部分は、たとえば夫が朝ご飯つくれば自分は夕飯。子供の世話は自分が担当している」という。
日経ウーマン編集長は「何も捨てない握力の強い女性たち」が選考対象というが、福島の夫はその分「ずっと我慢あるのみ」と笑う。
スーパーウーマン求める男性
スタジオでは、東海大准教授の金慶珠が、「何も捨てない握力の強い女性=理想の姿」に噛みついた。
「最近の女性は凛としてしなやかという特徴がある。ただ、結婚している世帯のうち共働き世帯は約4割、35歳を過ぎても結婚しない人が3割に達しつつある。その中で、家庭と仕事を両立させている女性は減少傾向にある。
もはや彼女たちの姿はメジャーではない、という認識をすべきだと思う。にもかかわらずロールモデルにしろと言われるとちょっと違う。握力が強いというが、それだけではない」
賞の審査員を務め、福島を1位に推した鳥越俊太郎(ジャーナリスト)の次のような推薦理由をVTRで流した。
「出産、育児は男性にはできない。女性がやらねばいけないそういう部分で実績をあげている点で、これからの社会の女性のあり方、ロールモデルをはっきり示した福島さんが良い」
これに再び金が吠えた。
「悪いけど、それは鳥越さん世代の男性の目線。もっと女性は多様な生き方がある。良妻賢母プラス仕事というスーパーウーマンを求める男性の要望はちっとも変わらない」
金の言うロールモデル像はいま一つ分からないが、あれもこれも欲しいと『何も捨てなくなった女』はますます強くなるばかり。確かなのは、その分を男が我慢するということに…。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト