酒の上のトラブルで歌舞伎俳優、市川海老蔵が大けがを負った事件で、海老蔵の話と食い違う証言が次々と出てきている。トラブルの一端は海老蔵自身の言動にもあったのではないかという流れができつつあるようだ。
舞台やふだんの姿とのあまりのギャップに、こうした酒の飲み方の背景には、歌舞伎界の御曹司としての重圧があったのではないか。そんな指摘もある。スパモニは前日(2010年12月1日)に続き、その真相を追った。
「相手グループが先に帰った」
海老蔵が飲み歩いたビルの11階と6階の飲食店の関係者2人が証言した。報道などで伝えられる海老蔵の話と自分たちが目撃したものと違うので、見たことを話しておきたいと思ったのだという。
海老蔵が「介抱していたら殴られた」というのも、酔った相手に何度も酒をかけたり髪を引っ張ったりしていた。6階の店に来たとき、満員状態で入店を断ったが、勝手に入り込んできた。他の客は泥酔状態で目の据わった海老蔵を怖がり、みんな帰ってしまった。再び11階の店に戻り個室に10分ほどいたが、相手グループが先に出て、海老蔵は後から出てきた。「逃げたが、外まで追いかけてきた」という話とは異なる。外でまた悶着があったかどうかはわからないという。
コメンテーターの東ちづる(女優)が溜息をつくようにいう。
「30歳を過ぎた男のすることなのか。いつかこうなると思っていた人がいたと思うが、誰も注意しなかったとすると、海老蔵さんは寂しすぎる」
市川家は歌舞伎界の名門中の名門。番組では、市川家の歴史や団十郎の系譜をたどり、その栄光と宿命に触れたが、やくみつる(漫画家)は「それと酒癖とは別問題。酒を断つとか、一般社会で行われていることをしなかったツケだ」と突き放した。