国際化進む「夜間学級」うらやましい…目配り授業と自由さ

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   東京の夜間学級がいま面白いことになっている、という「とくダネ!」には珍しいレポート。熊谷麻衣子アナが訪ねたのは東京・荒川区第九中学校だ。

   夕刻、生徒が続々と登校してくる。教室をのぞいてみると、おやおや高齢者と外国人が多い。外国人に聞いてみると、ネパール、インド、フィリピン、ミャンマー、タイ、韓国、中国……。

   夜間学級は戦後の1947年、 戦乱や経済的理由で中学を卒業できなかった人たちのために設置された。多くの人たちがここで学ぶ機会を得て、新たな人生を開いていった。

   ところが、このところ様相が変わってきた。全国に35ある夜間学級の生徒2452人のうち1962人が外国人。この第九中学も、59人のうち日本人は10人だけ。 あとはアジア各国の生徒たちだ。

   16歳以上で、義務教育を終えていなければ、国籍にかかわらず誰でも入学できる。生徒の大半は両親が日本で仕事をしている、あるいは日本人と結婚して来日したなどで、それがここで学ぶ理由だ。高齢の日本人女性は「日本人ばかりだと思っていたのに、外国人が多いのでびっくり」という。

共生社会実現のミニ版

   午後5時45分からの授業は、まず3学年全員のHRから。生活習慣や日本でのエチケットなどを解説する。授業は学年別ではなく習熟度によって分けられている。日本語のできない生徒のクラスは初歩の日本語から学び、そのとき日本人生徒は数学を勉強する。ほかに、社会、体育、英語、美術、音楽もある。

   カベに貼られた時間割から何まで、漢字にはみなふりがながついている。学力のバラつきが大きいので、時には8人の生徒に教師2人などということもある。教師の方も「かつての学校ではクラス45人だったが、いま10人。みんながわかったかなという顔つきの確認ができる。もしわからなければ、復習を濃くしていくとかができる」と話す。

   6時30分からの給食もちょっと様子が違う。牛、豚肉がタブーの生徒2人とベジタリアンの1人は、メニューが別なのだ。学費は給食費と教材費で月8000円、授業料は無料だ。

   教育評論家の尾木直樹さんはこう語る。

「夜間学級設立当時の状況とは違ってしまったが、ある意味、理想に近い教育が行われている。クラスのサイズとか向き合える時間だとか、教育の自由度も大きい。日本人がいなくなる日がくるかもしれないが、(インターナショナルは)共生社会実現のミニ版になる」

   司会の小倉智昭が「何かうらやましい。インターナショナルスクールみたいだね」

   熊谷は「ただ、日本語を学ぶためにという生徒も多い。日本語学校は授業料が高いから」という。

   デーブ・スペクター「移民が増えると、こういう施設は重要」

   予算も教師の数もこのところずっと変わっておらず、体育教師が数学を教えたりという状況なのだそうだ。成績競争とは無縁の姿を見ていると、何となくホッとする。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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