「ウィキリークス・シンドローム」情報規制の懸念

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   北朝鮮の金正日総書記「身体がたるんだ老人」。フランスのサルコジ大統領「怒りっぽく独善的」。イタリアのベルルスコーニ首相「無責任でうぬぼれ屋」――。こんなアメリカの外交文書が暴露された。内部告発情報サイト「ウィキリークス」が入手した25万件の一部を公開したものだ。

公開阻む動き強まらないか

   「ウィキリークス」に詳しい国際政治アナリスト菅原出(いずる)によると、「こんなことはアメリカも経験したことがない。外交の手の内がばれ、外交力が落ちてしまう」

   ウィキリークスは、告発者を守るということを強く打ち出しており、いろんなことろから情報がどんどん集まってくる形になっているという。メインコメンテーターの鳥越俊太郎(ジャーナリスト)も、「情報が本物かどうかを検証して公表されていること、また情報源が秘匿されるという点で、ウィキリークスは内部告発サイトとして権威を確立した」と見る。

   情報公開は民主主義社会に欠かせないが、コメンテーターの落合恵子(作家)が懸念を示す。

「これがどんどんエスカレートしていくと、今度は情報公開を阻む規制が強まるのではないか」

   鳥越「内部告発者と称して、まったくでたらめな情報が出てくる可能性もある」

   コメンテーターの弁護士・大澤孝征によると、現状では「情報を漏らした側を規制する法律はあるが、公開すること自体を規制するものはない」という。情報公開の利益と不利益。日本でも尖閣ビデオ流出があったばかり。「情報の扱いが本当に難しい世の中になった」と司会の赤江珠緒が締めくくった。

文   一ツ石| 似顔絵 池田マコト
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