オープニングで司会の小倉智昭が面白い外電を紹介した。南仏でピカソの作品が271点も見つかったというのだ。そのうち、175点 は未公開作品で、97点は存在すら知られていないものだったという。
持っていたのは、ピカソの家の防犯装置を扱っていた元電気工の70歳過ぎの男性。作品はコラージュ、水彩画、デッサンなど1900年~32年までと年代の幅が広く、ピカソの20代から50代にあたる。この間、ピカソは青の時代、バラ色の時代、キュービズム、新古典時代…と作風が転々としている。
所有していた男性は、今年初めにピカソの長男のクロードさんに見てほしいと依頼、見てみるとどうやらすべて本物。大発見に違いないのだが、なぜ男性が持っていたかが問題になっている。クロードさんは盗んだとしてこの男性を訴えているが、男性は「すべてピカソや夫人から譲り受けた」と話しているという。
ガラクタか知られざる名作か
中野美奈子アナ「なきにしもあらず」
笠井信輔キャスター「警報装置の人だから、お手のものという見方もできる」
小倉は総額66億円という金額に注目。「271点で66億円というのは安い。ゴッホなんて1点で何十億ですからね。ただ、ピカソは作品が多いので…。でも、これその男性のものになるかもしれない。66億が」
小倉はさらに、亡くなった作家の作品の真贋の鑑定には専門家が必要で、1点6万円から8万円くらいかかるという話も披露。
笠井「おじいさんは大変なお金を使わないといけないかも」
竹田圭吾(ニューズウィーク日本版編集長)「経路がどうなのかちょっと怪しい」
女優の中嶋朋子は「どんな作品なのか見てみたい」
どうやら、番組出演者はだれもパリのピカソ美術館へ行ったことはないらしい。ピカソの遺族が相続税として物納した作品を並べているところだ。青の時代の自画像や鉄板を溶接して作ったヤギの像など素晴らしいものもある。しかし、全体の8割くらいはがらくただ。要するに、牛乳パックをひん曲げたり、紙切れに描き散らしたものとか、ピカソの創作意欲のすさまじさを示すものではあっても、コレクションになるようなものではない。
66億円という数字も、そうしたものである可能性がある。クロードさんが訴えたのは、なかに何十億円という作品があったからかもしれない。にしても、271点とはすごい。