北朝鮮の砲撃「成功」説 その狙いと「覚悟」

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   砲弾が次々と民家に着弾する映像が世界中に流れた。韓国西海岸・延坪(ヨンピョン)島という名前を聞くのも初めての島。きのう(2010年11月23日)14時34分から約50分間に数十発、兵士2人が死亡、住民ら18人 が重軽傷を負った。1953年の休戦協定以来、初の陸地への砲撃は何を意味するのか。

   こういうとき、テレビはあらゆる映像、資料映像を並べてみせる。逃げ惑う住民のすぐ近くに着弾する映像は衝撃的だった。フェリーが欠航したので、漁船などで仁川に約400人 が避難したが、残りの住民は防空壕に避難しているという。いまどき防空壕があるというだけで驚きだ。

専門家も「まさか」

   朝鮮中央TVは「わが領海を0.001mmでも侵犯するなら、無慈悲な軍事的な攻撃をあたえるであろう」と韓国の挑発への報復だという。

   これに対して李明博大統領は、「挑発には何倍もの力で、2度と挑発しないくらいの報復をする」といった。韓国軍も応戦、南北双方で100発の応酬で、北朝鮮側もかなりの被害があるともいわれる。

   11月22日から韓米合同の洋上演習が、仁川に近い北方限界線付近で行われていた。「北朝鮮の領海だ」と主張する北朝鮮はこれに抗議をしたが、韓国は「通常の訓練だ」と突っぱねていた。砲撃はこれにたいする答えということだろう。

   コリアレポートの辺真一も「まさか、と驚いた。北もそれだけの覚悟があるということだろう」という。25日には南北赤十字会談でコメ50万トンの支援が行われるはずだったが、北朝鮮はあえてこれを棒に振っている。

   このところ、核実験の準備が進んでいるとの観測、ウラン濃縮施設を米の専門家に公開、と北朝鮮の動きが注目されていたが、いずれも米との直接交渉につなげたいという、北朝鮮一流の戦略とみられていた。この砲撃もその延長上にある、との見方が強い。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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