アメリカに何を言いたいのか
この問いに小此木が次のような解説を……
「朝鮮戦争が終わって2つに分断されてきたが、全面戦争は不可能なのでそれに至らない範囲で北朝鮮はあらゆることを試してきた。大統領官邸を襲撃しようとしたり、飛行機を墜落させたり、哨戒艦を沈めたり。
それに対し韓国側の対応がうまくできていない。北は、軍事的紛争について韓国は弱いとみている。今回は金正日総書記の健康問題もあって、このあたりで分断体制を終わらせたいぐらいの気持ちで仕掛けてきた気がする。海上で戦ってもインパクトが弱いのでこれぐらいやらないと、韓国もアメリカも交渉に応じないだろうと思っているのだろう」
それにしても北朝鮮の無茶苦茶な賭けのような気がするのだが、みのは「ここまでやってアメリカ出て来いって、何を言わせたいんですか?」と。
この疑問に小此木は『北の論理』を次のように解説した。
「どうやって生き残るか、息子にどうやって政権を引き継ぐか。息子がやりやすい条件をつくっておかねばと考えている。その中で古い共産主義者は、平和はピストルを突き付け戦い取るものと思っている。核兵器を開発すれば生き残れると……そうすれば交渉の場にアメリカを引っ張りだせると思っている。ですから今後も攻撃を繰り返す可能性がある」
惠谷も「北としては反撃しないだろうという考えのもとで作戦が行われたと思う。しかし、戦火を拡大しないという前提のもとで限定攻撃をしない限り北の攻撃はエスカレートする」とみている。
経済制裁の効果があまり期待できないなか、韓国の堪忍袋の緒が切れて今回どの程度の反撃をするのか、日本としても対岸の火事どころではない。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト