またも斎藤佑樹だった。きのう(2010年11月18日)行われた大学日本一を決める明治神宮野球大会決勝、早稲田―東海大戦で、2点リードの9回に登板した斎藤は、2人を三振、最後の1人を内野ゴロにうちとって、マウンド上でガッツポーズ。
実は早稲田はこれが初優勝だった。先の劇的なリーグ戦優勝に続く有終の美。大学4年間を最高の形で終えた感激からか、涙ぐんだ。「うれし涙です。ベンチ裏で4年生が泣いていたので。友だちに感謝したい。キャプテンやっていてよかった」
「最後は主将が締めろ」
試合は投手戦になった。早稲田はドラフトで広島1位指名の福井優也。東海大の3年生菅野智之は、巨人の原辰徳監督の甥で、150キロの速球投手だ。
2回早稲田の守備の乱れから東海大が1点をリード。しかし6回、早稲田は2アウト満塁からライト前ヒットで2点と逆転。ここで、西武1位指名の大石達也が登板して、150キロ超の速球で2イニング5三振のパーフェクト・ピッチングを見せた。
そして9回、応武監督は「最後は主将が締めろ」と斎藤をマウンドに送り出した。斎藤は期待に応えて12球で締めくくった。「最後は大石のはずだったが、2人の気持ちを背負って、いいピッチングができてよかった」。会見で「今夜は?」と聞かれ、「近所に迷惑をかけるかもしれない」(笑い)
小倉智昭「たいした男ですね。でも泣くとは思わなかった。うちなんか、夫婦でニュース見ながら泣きましたよ」(笑い)
「何かを持ってる」
レポートの田中大貴は、「高校でも日本一、大学でも日本一になってプロ野球に行くという最高の形。昨夜連絡したら相当泥酔していて、あまり飲まずに節制してきた彼がそこまでというのは、相当嬉しかったんでしょう」という。
神宮大会では早稲田はこれまで10回出場して1回も優勝がなかった。斎藤がキャプテンになって、初めてというわけだ。
小倉が「若い人のなかで、斎藤と石川遼は別格だね。斎藤は、ここぞというときに勝つ。やっぱり何かを持ってる。北海道も活性化するだろうし」
中野美奈子「これだけ注目されても、すごく謙虚ですよね」
田中「バランス感覚がいい」
小倉「大学で投げた投手はダメだといわれたりするが、彼のピッチングは長持ちするんじゃないか」
みんなそう願っているんだろうな。確かに何かがある。