刑務所から消えた68歳受刑者―難病なのに消息わからず

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   今、一人の老受刑者に注目が集まっている。受刑者の名は小林卓之。68歳。3年前に痴漢容疑で逮捕されたが、本人は冤罪を主張。最高裁まで争ったが棄却されて懲役1年10か月の刑が確定、今年(2010年)10月19日に収監された。

   小林が冤罪の根拠としている一つに、患っている難病・強皮症がある。この病気は手がロウ人形のように白くなり、やがては指が動かなくなるというもの。さらに進めば、指が壊死を起こして抜けるという怖い難病なのだ。治療には定期的に血管拡張剤を入れて、指の動きを確保する必要がある。逮捕されたときはすでに病状が進行中で、痴漢行為ができる状態ではなかった。それにもかかわらず警察は小林を逮捕・起訴したのだ。

痴漢容疑の冤罪主張

   「スパモニ」スタッフが近況を知ろうと、収監されているはずの東京拘置所に手紙を出したところ、受取人不在で戻ってきた。八王子にある病院刑務所ではと訪ねてみたが、ここにもいなかった。以来、行方不明の状態にあって、刑務所側はその行方を明らかにしようとしない。スパモニでは今も行方を捜しているが、どこにいるのかわからない状態が続いている。

   メインコメンテーターの鳥越俊太郎(ジャーナリスト)は「これは生命・身体の危機に関わる問題。法務大臣に直訴して居場所を明らかにしてもらう必要がある」と話す。

   同じジャーナリストの大谷明宏は「なぜ日弁連の人権保護委員会が動かないのか。どこにいてどんな治療を受けているのか。病状はどこまで進んでいるのかなど、日弁連はすぐに調査に乗り出すべきだ」と訴える。

   受刑者が刑務所から忽然と姿を消し、刑務所もどこにいるのか明らかにしないなんてことが現実に起きている。

文   赤坂和郎| 似顔絵 池田マコト
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