海上保安官の最終処分「起訴」か「罰金」か「起訴猶予」か

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   きのう(15日)逮捕見送りが決まった尖閣ビデオ流出の海上保安官(43)が、きょう未明、初めて報道陣の前に姿をみせ、第5管区海上保安本部から神戸市内のホテルに移ったが、正面を向いたまま終始無言だった。

   保安官は弁護士を通してコメントを出した。

「政治的主張でも私利私欲のためでもない。行動は正しいと信じているが、公務員のルールとしては許されないと反省しています」

   聴取に「遠い海で起こったことを見てもらい、1人ひとりが考えて判断し行動してほしかった」と供述しているという。

「おとがめなし」では済まない

   警視庁と東京地検ではさまざまな声があるらしい。

「難しいよ。処分をめぐった意見がバラバラ」
「中国人船長を処分せずに、流出させた日本人を逮捕したら、世論が……」
「義憤であれ、秘密情報を漏らしているのだから、許すわけにはいかない」
「機密性は高くない。逮捕する事件ではない。見せしめの逮捕はよくない」

   任意の聴取はなお続くが、最終的にどういう処分にするのかも難しい。

   弁護士の安冨潔は「逮捕しないからといって、罪に問わないわけではない。可能性としては起訴・公判、略式起訴(罰金)、起訴猶予もありうる。ただ、ここまでやったのだから全くの不処分はないだろう」

   司会の小倉智昭「船長を処分せず、(保安官を)起訴したら世論が…というが、そんなこと気にするのか」

   安冨「それを考慮して不起訴というのは考えられる」

   竹田圭吾(ニューズウィーク日本版編集長)は異を唱えた。

「ビデオの非公開や船長釈放の判断はおかしいと思うが、公務員が自分の判断だけで公表したことは責められるべきだ。これが通ると、在外公館、会計検査院、国税庁などの人が同じことをやっても責任を問えなくなる。何らかの処分、懲戒は必要だ」

   小倉「外交にも関わる問題でこんな展開は初めて。海上保安庁も処分に悩むでしょう」

   もとはといえば官邸の最初の判断の間違い、というより「猿知恵」だ。権力慣れしてないのがますます際立つ。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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