クレージーキャッツの谷啓さん(78)のお別れの会がきのう(2010年11月11日)に都内で行われ、親しかった芸能人、関係者800人が集まった。花にかこまれた大きな肖像が笑っている。愛用のトロンボーンも飾られていた。
仲間だった犬塚弘さん(81)が呼びかけた。
「谷啓、みんなのところに届いたか。渡辺晋社長もハナも植木屋も石橋のエーちゃんもヤッさんも、みんな一緒に手つないで少し降りてきてくれよ」
「みんな、聞いてるかい。俺と桜井さんと2人だけになったんだよ。もうあと数年か…、2、3年かな、たったらみんなのところへ行くから、そしたらまた、晋社長にプロデュースしてもらって、向こうでクレージーキャッツ再開しよう。変な話だけど楽しみにしてる。
いまね、2人だけで寂しいよ。会いたい。約55年間かな。谷啓、本当にありがとう。待っててくれ。みんな待っててくれよ」
集まった面々は加山雄三(73)、小柳ルミ子(58)、仲本工事(69)、小松政夫(68)、西田敏行(63)、桜井センリ(80)…みんないい歳、いい顔をしてる。
裸足の裏に「お先に失礼」
終わってまた犬塚が語った。
「食事のとき、彼は丼を手で隠して食べる。『学校給食じゃないのになんで隠すの』 と聞いたら、つまんで口入れるのを見られるのが恥ずかしいんだって」
「ハナが亡くなってハナの家でお通夜しました。みなさんたくさん来てくださって、夜中の2時ころ『これで終わったね』と応接間のソファで植木と並んで話してたんですよ。そしたら谷啓が入ってきた。2人で見てたら、裸足になって足の裏を僕たちに見せたんです。『お先に失礼』ってマジックで書いてあった(笑い)。やさしいでしょ」
司会の小倉智昭「先日、ニッポン放送のラジオで犬塚さんに谷啓さんのお話をうかがったが、 話がとまらない。いまだに『クレージーキャッツの犬塚』と紹介してくださいとおっしゃる」
れぽーたーの武藤まき子「静かでこころ暖まるいいお別れ会でしたね」
スタジオにはトロンボーンのスターダスト。もちろん谷啓さんだ。お別れ会の会場にもこれがずっと流れた。
武藤「奥様がうれしそうで、みんなお花をあげたあと遺影に向かってなにかつぶやいていた。谷啓を忘れないでくださいという会でした。奥様は来世も谷啓に巡り会いたいとおっしゃってました」
小倉が犬塚さんの言葉に「ぐっと来た」
芸能デスクの前田忠明も「あと2、3年なんてねえ…」
「再び」という近く公開される映画のなかで、犬塚さんがベースを弾いているそうだ。「これがうまい。かっこよくて、さすがクレージー キャッツ」と小倉。