きのう(2010年11月10日)横浜地裁で、裁判員裁判としては2例目の死刑求刑があった。2人の殺害を認めている被告(32)の弁護人は、死刑か無期かの選択で、裁判員に情状判断を訴えた。裁判員裁判ならではの戦略だ。
被告は新宿・歌舞伎町のマージャン店経営者から1340万円を奪ったうえ、2人を殺害して遺体をバラバラにして横浜港などに捨て、殺人・強盗殺人などに問われている。
検察は残虐さ強調
検察側は求刑の冒頭に「死刑」と明言する異例の陳述を展開。とくに、命乞いをする被害者の首を生きたまま電動ノコギリで切断するなどの残虐さを強調、「被告が死刑にならないのなら、死刑になる者はいるのでしょうか」と述べた。
これに対して弁護側は、最終弁論を「心身ともにお疲れのことと…」と裁判員へのねぎらいの言葉から始めた。そして、自首が成立していると情状を求め、さらに被告の人生、人となりなどから「命を絶っていいのか、ご判断をいただきたい。ためらいの気持ちがあったら、死刑にしてはならない」などと述べた。
被告は最後に「どのような判決にも服して償いたい」と神妙だった。
笠井信輔キャスターは「殺人事件で、もうひとつ死をつくりますかというような主張ですね」
安冨潔・弁護士は「それはその通りだが、裁判員制度はそういうことを考えてできた制度だから、裁判官の指導で大丈夫だと思う。死刑になる可能性は高い」という。
司会の小倉智昭「前の耳かき店員殺害では死刑にはならなかった」
真鍋かをり「冷静に判断しようとしているのに、直接、裁判員に訴えるというのは腹が立つ」
小倉「それが手法なんでしょう」
安冨「裁判員裁判は裁判員に訴えるというものですから」
判決は来週火曜日に出る。