海上保安官なぜ明かせないのか「映像入手ルートと動機」

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   「私が流出させました」と名乗り出た神戸海上保安部所属の海上保安官(43)、はたして国家公務員法の守秘義務違反に問えるのかどうか。「朝ズバッ!」水曜日コメンテーターで、元東京地検検事の若狭勝が今朝(2010年11月11日)も出演して、逮捕・起訴しても難しい裁判になると指摘した。

   また、番組の取材に応じた元海上保安官は「逮捕ということになれば、他の海上保安官から不満が噴出するでしょう」と話す。

   警視庁と東京地検は保安官を守秘義務違反などで逮捕する方針を固めているが、保安官は「(衝突ビデオは)誰でも見られる状態だった」とだけ話し、入手ルートについてはあいまいな供述だという。

「44分」以外の映像

   司会のみのもんた「守秘義務違反があるのかないのかということですが…」

   若狭が次のように答える。

「ギリギリ守秘義務違反は成立する可能性があるのでしょうが、それを刑事事件として起訴し、裁判にかけて処罰するのは難しい、というか慎重に考えないといけない。
とくに、映像を流出させた保安官の『動機と映像の入手経路』は、逮捕できるかどうかに密接に関係してくる。
別の人間が『実は…』と名乗り出る可能性もあり、犯人しか知りえない供述をするかどうか、供述に信用性があるかどうかを満たすことが逮捕の必要条件だ」

   『海上保安官』の著書がある住本祐寿・元第5管区海上保安官の話はさらに現実的で生々しい。

「政府が『見せるな』と言ったのはつい最近で、それまでに映像は流れており、いくらでも見れた。しかも、流出した44分間の映像以外の映像が存在している。
私の仲間たちから聞いた話では、逮捕にいたるまでの行為、逮捕後の中国漁船員の行為なども映っている映像も見たと言っている。
この流出は『我々がやったことはおかしくないですよね』と主張するためにやったと思う。逮捕となれば、他の保安官の不満が噴出し『もっとものすごいのを出しましょうか』ということもありうると思う」

   守秘義務違反について、専門家の間でも意見が分かれるなか、ボタンの掛け違った政府がどう決着をつけるか、落としどころは難しい。

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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