環太平洋パートナーシップ協定(TPP)に関して、菅首相は「良くも悪くも黒船がきた。平成の開国は必ずプラスになる」と評価する。ならば参加を表明すればいいように思えるが、「プラスになる」と思わない人たちの抵抗を抑えきれず、結論を先送りせざるを得なかった。
外からの競争圧力
TPP問題で浮上した日本農業の危うさを赤江珠緒キャスターが報告した。赤江の「関税という防波堤を取ってしまったら日本の農業はどうなるんでしょうか」という質問に、浦田秀太郎(早稲田大学大学院教授)はこう答える。
「関税は徐々に下げていくといい。それがかえって農業の競争力を高める。日本農業は過去数十年間かなり保護されてきたが、自給率が低下している。国内からの改革を進めるやり方もあるが、外からの競争圧力も同時に加えて構造改革を進める必要がある」
そうはいっても、赤江によると、日本の基幹的農業従事者の平均年齢は64.2歳。コメンテーターの大谷昭宏(ジャーナリスト)がこう引き継いだ。
「64.2歳といえば製造業では定年退職している年齢だ。それで闘う農業ができるかといえば、できない。競争力をつけないで、金だけをぶち込んでも育たない」
国の方策が農業をダメにしたということだろう。
鳥越俊太郎(ジャーナリスト)は「日本の米ほど優秀な米はない。給食を米にするとか、ODAに米を現物で出すとか、政府が農業を発展させる道を考えて政策を打ち出していかないとじり貧になる」と言う。
スタジオの雰囲気はTPP参加は不可避という印象だが、政府がしっかりしないと厳しいという流れになった。
文
アレマ| 似顔絵 池田マコト