尖閣ビデオの流出問題は、きのう(2010年11月8日)の衆院予算委でも与野党間で激しいやりとりになった。なぜ公開しないのか、ビデオの管理はどうなっていたのか――などで応酬があった。
菅首相は「情報管理がずさんだった」と頭を下げ、「どういう人が関わって漏れたか、徹底的に追及する」と述べたが、ことあるごとに首相を差し置いて仙谷官房長官が出てくるという変な展開だった。
海上保安庁はきのう、この問題で被疑者不詳のまま国家公務員法(守秘義務)違反などで、警視庁と東京地検に刑事告訴した。これまでにわかったのは、流出したのは石垣海保で編集したもののひとつで、検察に送られたものでもあった。検察は内部調査で「データに不正アクセスの形跡はない」としており、目下は石垣海保が焦点になっている。きのうまでの調べでは、全員が否定しているというが、石垣海保のPCには10月半ばまでかなり自由にアクセスできたという。
すぐバレる「自宅」「フリーメール」
ここで大村正樹レポーターが、「もし私がsengoku38だったら」として、YouTubeへ画像をアップする方法をたどった。まずはPCからUSBメモリかDVDでデータを取る。そこから先の可能性だ。
専門家はフリーメールではないかと見る。足がつきにくい方法をとるとして、どこからアクセスするかだ。方法は3つ。自宅からだと90%特定される。ワイヤレスネットワークだと、石垣なら80%わかるが、東京だと1~2割。ネットカフェだとバレる可能性は5割。防犯カメラの解析なども必要になるという。
司会の小倉智昭「今の話は、パソコンやらない人にはちんぷんかんぷん(笑い)。でも、かなりくわしくないとできない。身元が分かってもいいと思ってるのかも」
竹田圭吾(ニューズウィーク日本版編集長)「公開するつもりだったものでしょう。(尖閣ビデオ流出を)だれがやったかよりも、警察の公安情報が漏れた方がはるかに深刻だ。また、中国への対応を見て、各国が『日本は我慢する国だ』と思ってしまうとなめられる。これを自覚してほしい」
小倉「いまのままでは、(菅内閣は)4年はできんでしょ」
いや、衆院議員の残り任期は3年――。