「秋田・弁護士殺害事件」は離婚調停が背景にあったようだ。報告した所太郎リポーターによれば、被害者の弁護士(55)は20年ほど前、容疑者の男(66)の借金問題で力を貸した。ところが、酒店と鮮魚店を営んでいた男は11年前、またしても借金をして豪邸を建てる。借金を重ねてまでの豪邸新築に反対していた妻との仲がぎくしゃくし、離婚話が持ち上がる。やがて裁判に発展。妻側の代理人になったのが、刺殺された弁護士だった。結局、6年前、夫婦は別れた。
男にしてみれば、「自分側にいてくれたはずの弁護士がいきなり妻の代理人になっていた」(所)という思いがあったのかもしれない。それにしても何で今ごろになって事件を起こしたのか。
警察官の目の前で刺殺
男はこの間、酒店と鮮魚店を経営難で閉店、豪邸も手放し、無職で、家賃3万円のアパート暮らしをするまでに落ちぶれていた。
所が言うように「豪邸」によって男の人生が変わり、離婚が「転落」に拍車をかけた感じだ。怨みが弁護士に向けられたのではあるまいか。
こうした「受難」は少なからずあるらしい。2010年3月に横浜市で弁護士が刺殺されたケースなどを所が紹介する。
木場弘子(千葉大学特命教授)は「弁護士は依頼人の利益を追求するのが仕事。妻に有利なことは夫に不利になるのは当たり前」と話す。そして、「オレの人生があそこからおかしくなったといつまでも考える性質だと蓄積してしまうかも」とコメントした。
秋田の弁護士は通報を受けて駆けつけた警官の目の前で殺害されたという。遺族はたまらないだろう。
文
アレマ