司会の小倉智昭が開口一番、「日本シリーズより六大学野球の方が新聞の扱いが大きいというのは面白い」。むろん早慶決勝戦を勝った早稲田大の斎藤佑樹のことだ。「その斎藤選手の言葉をノーカットでお送りします」
試合のあと、球場で「斎藤佑樹は何かを持ってるといわれてきました。それが何かを考え、確信しました。仲間です。仲間がいて、慶応大学という素晴らしいライバルがいて、ここまで成長できたと思います」
大学での祝賀会では「チャンスをつないでくれた仲間、早稲田を応援してくれた仲間、ここに集まっているすべての仲間に感謝します」。4年前、新人で開幕勝利投手となった斎藤が、「自分がいる4年間は、早稲田の黄金時代を切り開きたいと思っています」と意気込んだ同じ舞台だ。
きょうドラフト会見
この日(2010年11月3日)、神宮球場は予定より1時間も早くチケットの販売を始め、開始1時間前には外野席まで完売。20年ぶりという。最終的には、 球場の収容人員を上回る3万6000枚(立ち見席も)を完売して、大入り袋まで出た。
試合は初回に早稲田が3点を先制すると、斎藤は7回までノーヒットの快投。5回には自ら三遊間を破って追加点。7点のリードで迎えた8回、エラーと連打で5点を失ったところでマウンドを降りた。リリーフはドラフトで西武から1位 指名された大石達也。快速球を主体に最後の打者を三振にとって、早稲田は4季ぶり42回目の優勝を決めた。
小倉が「何かを持っている。それは才能ですといわないところがいいね」
慶応野球部OBの田中大貴アナは「個人的には口惜しい思いだった」と言うが、斎藤には「新人で開幕勝利投手、最後も勝利投手になるといいね」と言っていたのがその通りになった。きのう斉藤に聞いたら、自分には「おつかれさま」と言いたい。田中が「自分をほめたいとは思わないの」と聞くと、「仲間がチャンスを作ってくれたんだから、自分はほめられるようなことはしていません」と答えたという。
田中「人間的にも素晴らしい」
小倉「ヤクルトはうらやましいだろうね」という。ヤクルトは斎藤が欲しかったのを、日ハムにもっていかれた。斎藤らはきょう初めてドラフトについての会見をする。
小倉は「札幌の人たちは喜んでるだろう。日本ハムはいいところへ目をつけましたね」と、作家の福田和也に話を振ったら、慶大教授の福田は「5点取った時は逆転するかと期待したんだけど…」(爆笑)
まだ口惜しいらしい。