ロシアのメドベージェフ大統領の国後訪問で、スタジオは日本外交批判が渦まいた。まず、VTRで登場した佐藤優(元外交官)は、日本が尖閣問題で混乱している隙をロシアが狙ったとし、大統領が北方領土に行くとのシグナルをロシアが発しているのに、来ないと踏んだ日本外務省の情勢判断ミスを指摘する。こうした事態に「遺憾」としか言わない菅首相に対し、佐藤はモスクワにいる駐ロシア大使を総理主導で日本に呼び戻すことを提言する。
さらに佐藤はこう説く。
――時代は帝国主義に構造転換した。自国の利益をゴリ押しして相手が反発するときだけ調整する。そんな国際政治の潮流の変化にもかかわらず、日本の外務官僚も政治家も国際協調の惰性の中で見ている。
わかっていない外務官僚と政治家
鳥越俊太郎(ジャーナリスト)は佐藤の分析をなぞって次のように話す。
「東西冷戦時代、旧ソ連は東側陣営の頭領として自制心をもって外交をしていましたが、ロシアになってから自制心がなくなってやりたい放題になっていて、帝政ロシアに戻ったようなものですよ。日本は言うべきことは言わなくていけない。『遺憾である』と言っても、ロシアには何にも伝わりませんよ。中国に対しても同じです」
落合惠子(作家)は「外交はタイミングが必要。見送って、見送って後ろ姿だけ見て『遺憾』で落ち着いてしまう。話合いを尽くすというところにおいても後手後手ですね」と嘆く。
大澤孝征(弁護士)「日本の外交は相手の顔色ばかりうかがっている。プライドも意気も感じられない。そこにつけ入れられる。政治家に志もハラもない」
キャスターの赤江珠緒が「『遺憾』という日本語を政治家が非常に楽に使っている」と締めくくった。
文
アレマ| 似顔絵 池田マコト