小木逸平キャスターが受け持つ「教えてニュース なんでそーなるの?」コーナーで「TPP=環太平洋パートナーシップ協定」をとり上げた。山口一臣(「週刊朝日」編集長)曰く「与党政府内で大もめにもめている」キーワードである。
TPPで778%の関税がゼロ
「大もめ」の元は農産物、とくにコメ。環太平洋の各国間で関税をゼロにしようとする協定だから、778%という大きな関税で保護されている日本のコメの関係者は心穏やかでない。カリフォルニア米やタイ米などが大幅に安くなって輸入されると「太刀打ちできなくなる」(宮城県のコメ農家)というわけである。小木によると、カリフォルニア米は5キロ1000円から1500円、タイ米は500円から1000円で消費者の手に入るとのことだ。
「食料自給率も低くなる」として、TPP参加は慎重に考えるべきと訴えているのは鳩山前首相や小沢元代表に近い議員たち。一方、仙谷官房長官や前原外務大臣などは「参加しなければ経済的な損失を被る」と主張している。
コメンテーターの松尾貴史(タレント)は「積極派」のようだ。
「海外で日本産の米は売れる。中国のお金持ちは買いますよ。自給率はそんなに大切なものと思わない方がいい。それよりも、質とか、どれだけムダに食品が棄てられているか、自分たちの作ったものがどれだけ消費されているか(が大切)」
当初、参加に積極的だった菅首相は、ここにきて躊躇し始めたらしい。相変わらずの迷走ぶりだ。何を怖がっているのだろうか。