音楽CDなどの、いわゆるベスト盤的なコンピレーション・アルバムが本当に「ベスト」なのかといったら、いつの世も議論は絶えない。選曲はもちろん(なんでこんな曲が!? 何故あれが入ってない)だが、オリジナル2枚からの2個1、誰も知らない曲ばかりとか、存在自体に疑問符がつくようなものが少なくない。もっとも、おかしな「ベスト」が出るウラには、契約消化などいろいろなオトナの事情があるようである。
「心がこもってない。買わないで」
歌手の宇多田ヒカルは自分の「ベスト」に納得していない。24日(2010年11月)にEMIとユニバーサルから、同時に「ベスト」盤が出るが、「Utada」名義のユニバーサル版のほうは、過去のオリジナルアルバム2枚から、宇多田の意思とは無関係に選ばれ、発売されるのだそう。彼女はそれを「心がこもってない」ものだとし、「買わないで」とツイッターで訴えた。
「いや、でも心こもって歌ったんですよ。過去は。だから…」
コメンテイターのテリー伊藤は勢いよく言い出して、途中で言葉を濁した。
「自分が納得してないのに出ちゃうってのは、イヤな気持ちはわかりますけどね」と、司会の加藤浩次はアーティスト側に立つ。「法的には問題ないんですけどね」と言うテリーは制作者(発売する側)の顔をしていた。
文
ボンド柳生| 似顔絵 池田マコト