宇多田ヒカル「ベスト盤買わないで」騒動の裏のソロバン勘定

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   来年から活動休止を宣言していた宇多田ヒカルが、近く発売のベストアルバムを「買わないで」といっているという。実はベストアルバム2枚が来月同時発売になり、そのうちの1枚が「私の意志とは無関係」なのだという。

   発売される2枚は「宇多田ヒカル・ベスト盤」(EMI 2枚組18曲。うち新曲5曲)と「Utada the best」 (ユニバーサル 16曲で新曲なし)。宇多田が怒っているのは、ユニバーサルの方。アメリカで「Utada」の名前でやってきたユニバーサルが、EMIの発売日にぶつけてきたのを「便乗だ」として、ブログで「予約を考えている人は、少し待ってください。売れなかったら叩かれるのは私なんですけど、正直なところ、ファンにお金を出させたくない、全く心のこもっていないモノです。未発表のものは何も入っていません」と書いている。

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騒ぎになって損する人いない

   なんでこんなトラブルが起きたのか。専門家によると、原版の権利は基本的にレコード会社が持っていることが多いが、本人の意思、許可がないとオリジナルアルバムは出せない。しかし、ベスト盤だと1度作った音源を活用できるのだという。つまり、ベスト盤はレコード会社の決算期に合わせたり、移籍や契約終了時に多く、 「やったもの勝ち」なのだそうだ。

   現に過去にもトラブルがある。1997年のドリカム移籍で、前の会社が出したベスト盤を買わないよう呼びかけた。また、99年には「解散までベスト盤は出さない」といっていたスピッツが、契約数に満たないと、会社が出したことがある。

   「あれは大当たりしたんだよ」とこの道に詳しい司会の小倉智昭。スピッツのは200万枚いった。小倉はさらに「発売はユニバーサルだけど、原版はアメリカの会社が持ってる。宇多田はアメリカではあまりヒットしなかったが、日本ではそこそこ売れた。だから、宇多田自身もこれまでのアルバム持ってる人は買わなくてもいいということなんじゃないか」という。

   芸能デスクの前田忠明「同じ発売日にぶつけたんで、相当カチンときてるが、12月にコンサートが決まってるし、(会社は)出そうという気になるでしょう」

   竹田圭吾(ニューズウィーク日本版編集長)は「騒ぎになった方が売れるかも。売れれば印税も入るし、アー ティストとしての気持ちを別にすれば、騒ぎになって損する人はいない」(笑い)と誠にクール。商売の世界だもんね。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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