裁判員裁判で死刑求刑―どっちを重視「残虐な犯行」「深く反省」

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   死刑が求刑され、初めて裁判員が難しい判断を迫られることになった。東京・港区で昨年8月、耳かき店員の女性(当時21)とその祖母(同78)の2人を刺殺したとして、殺人などの罪に問われた無職の林貢二被告(42)の裁判員裁判。東京地裁で25日(2010年10月)結審し、検察側は「一方的な恋愛感情が受け入れられないからと殺意を抱き理不尽な犯行に及んだ…残虐で計画的犯行」として死刑を求刑した。

   これに対し、弁護側は「被告は前科もなく、深く反省している。極刑でしか償えないのか考えてほしい」と情状を求めた。

   本当に被告の一方的で身勝手な恋愛感情だけだったのか。裁判では殺された女性が、被告に弁当の購入を依頼した話も出でいた。耳かき店員がどんなサービスをするかはしらないが、女性が被告の恋愛感情を弄ぶようなことはなかったのかどうか。被告が起訴事実をすべて認めており、死刑か無期懲役かの量刑に争点が絞られているだけに、プロの裁判官でも判断が難しいとされている。

検察も弁護側も「問いかけ」

   司会のみのもんたが「どんな感想を?」と、この裁判員裁判を取材したTBS裁判担当の池田誠記者に聞いた。

   「検察側は論告で『このようなことで一方的に憎まれ殺されるとしたら、世の中の女性はどうやって人と接し、生活していけばいいのでしょうか』と問いかけました。一方、弁護側も『果たして極刑がやむを得ないと言えるでしょうか』と問いかけました。
いずれも裁判員たちへ問いかけているのが印象的でした。今までの裁判ではなかったことだと思います」

   どこにポイントを置いて裁判員が死刑か無期懲役かの判断をするか、今後の裁判の基準になるだけに注目される。

   裁判員は26日から4日間にわたって評議を行い、11月1日の判決公判でその結果が言い渡される。

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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