「真央ちゃんに何が起こったのか」と思った人が多かったに違いない。女子フィギュアスケートグランプリシリーズ・NHK杯で、浅田真央(20)はジャンプでミスを連発、自己ワーストの8位に終わった。
「不調の原因は何だったのか」(赤江珠緒キャスター)
真央が姉の舞(22)に胸の内を語るVTRを流す。
「気持ちは入っていたけど、気持ちと滑りが合っていなくて、体も自然に動かなかった。練習は積み重ねてきたけど完成には程遠い」
「気持ちと滑りが合っていない」
真央は5年前、15才でグランプリ・ファイナルを制したときのジャンプを理想と考えていて、それを甦らせたいらしい。
荒川静香(トリノ五輪金メダリスト、解説者)はこんなアドバイスする。
「試合では次々にジャンプがきてしまう。いいタイミングがわからなくなって、ちょっとでも迷うと回転不足になってしまうんです。自信なく踏み切ってしまうとミス連発につながります。だから、頭で考えなくても、自分のタイミングになってしまうまで身体に覚え込ませる必要があるんです。それが見つかるまであせらず、しっかり見つける作業をした方がいいと思います」
コメンテーターの森永卓郎(獨協大学教授)は、「(からだが)大人になって回転できなくなったのかと心配したけど、ジャンプを作り直していたので安心した。次は確実に良くなる」と楽観的。
鳥越俊太郎(ジャーナリスト)は「ルールが変わって、これからは6つのジャンプパターン全部をマスターしないと勝てないということで、新コーチの下でやっている最中。乗り越えないといけないカベだ」と言う。
真央は「ジャンプを一からやり直して、やっと単独では跳べるようになってきている。次は通しでしっかりできるようになるために、もうちょっと時間が必要」と話す。1か月後のフランス大会ではどんな姿を見せてくれるだろうか。
文
アレマ| 似顔絵 池田マコト