「エッ!銀ダラまで中国」
司会のみのもんたが吠えた。脂がのった今が旬の銀ダラ。中国がコンテナごと買占め、品薄状態で価格が高騰しているという。「朝ズバッ!」が銀ダラと中国の関係を取り上げた。
TBS本社のある東京・赤坂の料理店。デフレの最中にもかかわらず、銀ダラ定食が50円値上がりして1050円になった。女将は値上げの理由をこう語った。
「1kg1300円が1年前くらい。それが今年は2000円。1週間ほど前から中国が銀ダラをコンテナごと買占め、すごく品薄になって入荷もないと言われた」
もっとも、値上がりは徐々に進み、10年前までは今の半値で買えた大衆魚の銀ダラが、今では高級魚に変身している。中国人が日本人並みに魚を食べるようになったからだ。
魚が食べられなくなる日
銀ダラはほぼ100%アラスカやカナダからの輸入で、日本の輸入量は2004年まで世界のトップだった。ところが、05年に中国が日本を追い抜きトップになった。元水産庁の職員で政策研究大学大学院の小松正之教授も、「このままだと買い付け競争で買い負けし、日本の市場に入ってこない魚もでてくる」と警鐘を鳴らす。
国際金融アナリストの末吉竹二郎は「こういう話もあるんですよ」と前置きし次のように話す。
「中国の人が日本人並みに魚を食べるようになると、中国人だけですべてを食べつくしちゃって、中国人以外には回ってこないといいます」
FAO(国連食糧農業機関)調べによると、中国人1人当たりの年間魚介類消費量は1980年はわずか5.2kgだったのが、05年には5倍の25.5kgに増えているというから、あり得ないことでもない。
まるで草原を食いつくすアフリカのイナゴの大群並みだが、尖閣諸島の中国漁船衝突事件も水産資源獲得が背景にあった。日本人の食生活にまで影響が出ている中国の『猛威』にとどう付き合うか大問題だ。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト