赤い官房長官の黒い人脈―「週刊新潮」仙谷研究の思わせぶり

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   朝早く起きて、駅で週刊誌を買い込み、地下鉄東西線・早稲田駅近くの「すき家」で280円の牛丼を食べて、オフィスへ来た。

   牛丼はやや油が多くベタつくが、そこそこの味である。私の友人は朝と夜、ここで定食を食べている。「すき家」でビールを飲めることも、彼から聞いた。

   「ユニクロ」の長袖ワイシャツが2990円。肌触りといい、1万円程度のワイシャツと遜色ない。デフレが続くことは、日本経済にとっていいことではないのだろうが、われわれ年金生活者にとっては有難いことである。

   もし、牛丼の値段が500円になったら、年寄りたちが暴動を起こす。「ユニクロ」のフリースが5000円になったら老人革命が起こるのは間違いない。消費税を上げるなら1万円以上のものに限定するべきである。

   牛丼や衣料品、日用品の値段をそのままにして、給料&年金を上げることができる理論を考えた経済学者にこそ「ノーベル賞」を与えるべきである。財源がないから消費税を上げるなどと考える政治家は猿以下だと、ブツブツいいながら、今夜は「すき家」でどの定食を食べようか、悩む私だった。

暴力団「東声会」元会長の遺族と争い

   円高に歯止めがかからない。「週刊現代」によると、「アメリカ経済の現況を見ると、1ドル=100円の半分くらい、極端にいえばいつ50円になってもおかしくない」(同志社大学大学院・浜矩子教授)らしい。円高関連倒産が急増している。えらいこっちゃである。

   中国の反日運動も一向に収まらないが、それら諸々の根源のようにいわれているのが菅直人総理大臣ではなく、仙谷由人官房長官である。

   現代によれば、「まずは仙谷さんに聞け、仙谷さんの許可は出ているのかーー。これはいまや、民主党における合い言葉だ。そして誰もが、『仙谷さんに睨まれたら地位が危ない』と信じ、戦々恐々としている。実際に、『仙谷総理』から無能とのレッテルを貼られ、左遷されてしまったのが長妻昭厚労相だ」と、その権勢は天にも及ぶようだ。

   その仙谷氏に「週刊新潮」が噛みついた。「赤い官房長官『仙谷由人』の研究 前編」で、仙谷氏が学生時代いかに優秀だったかに触れ、人権派弁護士として活躍後、代議士になるのだが、実は、赤い人脈ではなく、彼には黒い人脈がまとわりつき、「清濁お構いなしに『実利』獲得に血道をあげる彼の習性が、自ずと浮かび上がってくるのだ」(新潮)と書いている。

   その黒い人脈とは、2002年に物故したが、それまで裏社会の「猛牛」と恐れられ、日韓のフィクサーといわれた暴力団「東声会」会長・町井久之氏が所有していた六本木の「TSK・CCCターミナルビル」がらみのことだというのだ。

   このビルは、町井氏の死後、幽霊ビルといわれ、登記・権利関係が複雑に入り組み、売ろうにも売れなかった曰くつきのビルである。

   様々な人間が一儲けを企んでこのビルの売買利権に群がったが、その一人に、脱税容疑で逮捕されたり、川崎でトルコ風呂を経営していた人物がいる。

   この人物が実質的に経営する会社の監査役を、仙谷弁護士が務めていたことがある。仙谷氏が後ろ盾になり、彼は生前の町井氏に5億円相当を貸していた。それを理由に「TSK・CCC」関連の利権には、彼にも権利があると主張して町井氏の遺族側に迫り、遺族側との争いに発展する。

   しかし、ここから問題が大きくなる。町井氏と仙谷氏両人が捺印した公的文書が存在するが、遺族側によって、偽造文書だと指摘されてしまうのだ。しかもこれは、仙谷氏が代議士になって以降に偽造されたものであるという。

   結びにはこうある。

「この『偽造疑惑』は噂や流言の類ではない。しっかりとその疑惑の痕跡は、仙谷氏もよく知っている場所に刻印されていたのであった」

   思わせぶりな終わり方だが、今や影ではなく、表の総理とまでいわれる仙谷氏のスキャンダル、どこまで発展するのか注目ではある。だが、去年の「朝日新聞阪神支局襲撃犯」のような大誤報にはならないでしょうな。

元木昌彦プロフィール
 1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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