奄美大島が大変なことになっている。きのう(20日)までの24時間の降雨量がなんと648ミリを記録。ところによっては800ミリというから、これは10月の奄美の平均238.7ミリの3倍だ。
中部の奄美市住用町では川の氾濫であっという間に町全体が水浸しとなり、 役場の支所の中で水位1.5メートル、駐車場の車は屋根まで水没状態、郵便局ではみな屋上に避難するありさま。特別擁護老人ホームのお年寄り2人が死亡、110人が一時取り残された。別に88歳が1人行方不明になっている。
また、小中学校でも138人 が一時孤立、学校で夜を明かした。市民も「20数年で初めて」「山が道路を渡っていった」「車から出て高台まで泳いだ」と口々にいう。
町は1348世帯2784人に避難勧告を出したが、住用町ではその後、電話も携帯もつながらなくなり、詳細が全くわからないでいる。電話がつながるのは奄美市の役場までで、役場ではマイクロバスに食料などを積んで、現地に職員が向かった。
19年ぶりの超強烈台風
それにしても、なんで奄美だけ?
気象予報士の天達武史は、「フィリピン沖の台風13号が間接的に影響している」という。なにしろ、フィリピン上陸前はヘクトパスカルで880台、最大風速90メートルというとんでもない台風だった。それが南シナ海で停滞し、そこから本州南岸の前線に湿った空気を吹き込んだのだという。
あの海域で900ヘクトパスカルを下回ったのは19年ぶりといい、アメダスでも奄美にだけ集中的に雨が降っていることがわかる。現地は明日、明後日も降り続くという。
司会の小倉智昭「今年は台風が少なかったよね」
天達「上陸は2つでしたが、いずれも上陸前に猛烈な雨が降っている。今回もそうです」
台風は今後、ゆっくりと中国へ向かい、日本本土には来ないというが、はるか東の海上には、台風の卵がすでに2つできていて何とも不気味。「季節が半月くらい遅れている」と天達。これも異常気象のうちなのだろうが……。