<医龍3(フジテレビ系木曜夜9時~)>チーム・ドラゴンは永久に不滅です。われらが医龍・朝田龍太郎(坂口憲二)が帰ってきてくれた。パート2からもう3年もたってしまったのね。その間、朝田はやっぱり爆弾が降ってくる戦場の村で少女の命を助けていたのだ。一方、パート1の優秀な女医・加藤晶(稲森いずみ)は、アメリカで子どもの心臓移植の名医になっていた。しかも一段ときれいになって。
遠藤憲一の金髪医師…敵か味方か
さびれゆく明真大学病院を守っていたのは鬼頭笙子(夏木マリ)と伊集院登(小池徹平)、木原毅彦(池田鉄洋)。あの金髪の麻酔医・荒瀬門次(阿部サダヲ)は、患者の少年を死なせた心痛でオペから遠ざかっていた。
病院の起死回生をねらい、鬼頭はチーム・ドラゴンの復活を計る。こうして次々とメンバーが集まってくるわけだが、最初のシーンでオバマ大統領の演説を聴いている人物が謎だった。小指にいくつもダイヤのリングをはめた手しか映さない。後になって、アロワナも登場しあの憎たらしい野口教授(岸部一徳)だとわかる。エッ、なんで病院の衰退を招いた張本人が帰ってくるの。うーん、悪役として岸部一徳の存在感は欠かせなかったのか。
今回も、朝田の屋上エア・オペ(手術の手順を思い描きながら実際の動きをシミュレーションする)が登場。上半身裸で、霧まで流れ、背中の龍の彫り物が青い光を放つ名シーン。いいぞいいぞ、あくまでも濃くやってくれ。遠山の金さんと同じなんだから。
このドラマは、「チーム」の意味を考えさせてくれる。それは友情とか愛情とかよりも、もっと単純だ。われわれヒトという動物は、大昔から集団を作り、各自の役割を懸命に果たすことによって、自分よりはるかに大きいマンモスをゲットして生きのびてきたのだ。わずか1万年やそこらでそれが変わるわけがない。「チーム」で立ち向かい、目的を達成した喜びは、協力して食い物を獲得した喜びと同じものだ。逆に言えば、「孤立」は食い物が手に入らない恐怖と同じだから、あんなにも人を痛めつける。朝田は孤高に見えて、実は誰よりもそれがわかっている。
パート3では新しくもう一人の金髪が登場した。なんと遠藤憲一が金髪姿で超絶的な腕をもつ医師に。はたして朝田の敵か味方か。
それにしても、荒瀬は死んだのかと思った。ああ、死なないでよかった。最後までドキドキしちゃった。
カモノ・ハシ