「世紀の救出劇」(赤江珠緒キャスター)は順調に進んだようだ。救い出される作業員の乗るカプセルを地下に下ろす速度が速まり、乗り降りに要する時間も短縮されたらしい。
カプセルから出てくる作業員は、いずれも「想像以上にしっかりしている」(赤江)。最高齢(63歳)のマリオ・ゴメスさんも確かな足取りで、地上で待ちかねていた妻と直ちに抱擁を交わすほど。医療の専門家は作業員たちが元気さを保てた理由として、「リーダーの統制による団結」「規則正しい生活」「外部指示による栄養管理」の3つをあげる。
穏やかで怒らない人
現場監督であるルイス・ウルスアさん(54)の統率力が極めて大きかったといわれる。ウルスアさんの自宅近くに住む人から話を聞いたという現地の山野孝之記者によると、全員がウルスアさんのことを穏やかで怒らないと、その人格をほめちぎっていたという。
「人間的魅力が32人を束ねる原動力になったのではないか」と山野は述べた。
コメンテーターのやくみつる(漫画家)は次のように語る。
「専門的な栄養の管理とか、心理の管理とか、地上からの微に入り細にわたる指示があったと思う。終わった後、全部の方に、エンドロールみたいに、どういう技術・分野の人がどれほど関わって今日の結末を迎えたか聞いてみたい」
最後33番目のウルスアさんがカプセルに乗り込み、間もなく地上に出てくるという合図のサイレンが鳴り響き、レスキュー隊員が歌うチリ国歌「チチチ、リリリ」の掛け声、拍手が聞こえる中、「スパモニ」は終了となる。惜しいところだった。
文
アレマ| 似顔絵 池田マコト