各地でクマの出没が続く。魚津市では男性2人、山形では60代の夫婦が襲われてけが。福井県勝山市では、デイケアセンターの看護師が大けがを負ったが、そのクマが施設に閉じ込められていた。こちらもどうなるかという現地中継――。ところが、これがさえない。田中良幸アナが前夜の暗闇でしゃべっている映像が出て、クマに襲われた状況を説明。さらに、施設に閉じ込められたクマにエサを仕込んだ罠をかけたりする。ただ、捕獲作業は夜が明けてからということだった。
施設の中をカメラが捕らえようとするのだが、まったく見えないうえ、クマがどのあたりにいるのかすらわからない。夜が明けても動きはまったくないのだ。番組は「生中継です」というが、なんかおかしいと思ったら、田中が「銃声が2発聞こえまして、午前8時58分、クマの死亡が確認されました」と報告をはじめた。
このセンターはすぐ隣に130床の病院があり、クマが飛び出してくるのに備えて、猟友会員は猟銃、動物園関係者は麻酔銃で警戒にあたっていた。夜が明けて内部に入ったところ、クマは奥の部屋の天井の梁の部分にしがみついていて、やむなく射殺したという。
クマ出没…エサ求め人里へ
今年は各地でクマとの接触がすでに70件(昨年45件)と多く、不意をつかれたケースが増えている。魚津市の男性の1人は畑仕事中に後ろから抱きつかれた。例年なら出てこないようなところにまで来ているということだ。
春先の低温と夏の猛暑でエサが少なく、山から人里に下りてきているという。サルやシカと違って、クマはばったり出食わしたら怖い。しかし、各地でカメラにとらえられた映像を見ると、子グマもいるようだし、食べ物を求めてというのが何となく痛々しくもある。
今回もどんなクマだったのかも写らず、司会の小倉智昭も「これで落着ですか」と、次の話題に移ってしまった。画面の一部にはずっと「チリ」のリアルタイム画像。きょうの「とくダネ」は中継にはついていなかった。