「世紀の救出劇」(赤江珠緒キャスター)の準備が整ったようだ。チリ・サンホセ鉱山の落盤事故で生き埋めになった作業員33人の救出が、日本時間で明日正午ごろ(2010年10月13日)から始まる予定という。事故が起きて2か月、当初、3、4か月かかるといわれた救出までの時間が大幅に短縮された。
ギネス入り、体験記出版、取材合戦
映像ですっかりお馴染のカプセルに入って、1人ずつ地上に上げられることになるが、チリの鉱山大臣の話では、最初に健康な人、次に体調を崩している人がつづき、最後に精神的に強い人の順番で救い出されることになるという。
現地の取材記者によれば、この順番について、地下では「譲り合い」があったらしい。義侠心から「先に行け」という麗しい面もあったが、最後に救い出されればギネス記録に登録の可能性があるとか、最初のトンネル通過には不安もあるため後の方がいいとか、さまざまな思いが交錯したようだ。
現場周辺には世界中から約3000人を超す報道陣が押し掛けているといわれる。救出された作業員の談話を求めて殺到することが予想されるが、作業員たちはインタビューにはなるべく答えないように申し合わせているという。体験記を連名で本にする相談が行われているのだそうだ。
「余裕が出てきたのかもしれない」(赤江)
コメンテーターの落合惠子(作家)が「鉱山そのものは危ないと報道されていて、劣悪な状況は変わっていない。感動劇で終わりということではない」と注意を促す。
まずは33人全員が無事、笑顔でカプセルから出てくることを祈ろう。
文
アレマ| 似顔絵 池田マコト