強制起訴が決まった民主党の小沢元代表が7日(2010年10月)、報道陣を前に重い口を開いた。わずか12分間の短いインタビューだったが、離党や議員辞職については「そのような意思は持っていません」と述べ、態度を鮮明にした。
検察審査会の強制起訴については「残念な結論だ」と言いながら、「(明らかになっているのは)11人の委員と平均年齢30歳というだけで秘密のベールに閉ざされ、どういう議論がされたのか国民も知り得ない」と不満を語った。
裁判員は顔出して会見
司会のみのもんたは小沢の発言に「ここまで検察審査会が浸透し機能している時に、『秘密のベール』とか否定するのは問題じゃない?」と反発した。
小沢の肩を持つつもりはないが、改正された検察審査会制度が正常に機能しているかどうかは疑問。今回の検察審のメンバーは、4月の1回目の「起訴相当」を決議したメンバーが全員入れ替わり、男5人、女6人、計11人の平均年齢は30.9歳で、前回メンバーより3.3歳若返った。日本人の年齢構成から見ると、ずいぶん不自然な印象を受ける。無作為抽出で男女比はほぼ半々になっているのに、平均年齢が妙に若いのはどういうことだろう。
有権者の中からくじ引きでメンバーを決めているようだが、年齢が偏り過ぎている点は否めない。それに透明性がないのも気になる。
世論の動向に左右されて強制起訴の議決をしたわけではないと思いたいが、それならなおのこと、メンバーが表に出るなど透明性を確保し、議論された中身をもっと説明すべきではないか。裁判員は顔を出し、会見などにも応じている。
毎日新聞の与良正男(論説副委員長)も「始まったばかりの制度で問題もあると思うし、中身についても審査会として説明したほうがいいと思う」とやはり疑問を呈する。
ただ、小沢のインタビューについて与良は、「小沢さんはずるいよ。たった10分足らず話した程度、もっと聞きたいことがたくさんあった」と不満を述べる。
たしかに、立ち話程度のインタビューですむ問題ではないだろう。こうした姿勢を続けているからますます追い込まれる。