日本人ダブル受賞でも手放しで喜べない科学分野のお寒い現状

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   ノーベル化学賞の日本人ダブル受賞に対するコメント陣の感想が三者三様で面白かった。

   東ちづる(女優)は「うれしい」と素直に喜び、「私たちの生活に密着していることだとは知りませんでした」と目を見張る。鈴木章・北海道大学名誉教授(80)の研究成果が、抗がん剤、血圧降下剤、農薬、液晶などに利用されていることを知ったからだ。

   やくみつる(漫画家)は「かく言う自分が、(学生時代に)化学式が出てきたときにこれはアカンと見放した口なのでとやかく言えないけれど、どうやったら食いつく授業になるのか。何かアポローチする方法があるのかもしれない」と、文系共通の悩みを口にする。

   根岸英一・米パデュー大学特別教授(75)について、小木逸平キャスターが「ご本人は小中学校の頃、学校の授業だけしか勉強しなかったとおっしゃっている」と説明。MC赤江珠緒が「ほんとうですか」と驚きの声をあげた。

予算も増えていない

   鳥越俊太郎(ジャーナリスト)は、鈴木名誉教授の「理科系を目指す日本の若者が減っているのが大変嘆かわしい」という談話を引用しつつ、「日本の現状は、必ずしも今回の受賞を喜んでいいというふうにはなっていない。いまの若い世代が引き継いでくれるかどうかが問題。国家の予算も科学技術関係は増えていると言い難い」と心配する。が、ここは「とにもかくにも、おふた方おめでとうございます」(赤江)と、快挙を祝いたい気分が先に立つ。

文   アレマ| 似顔絵 池田マコト
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