神戸市の路上で4日(2010年10月)夜、高校2年の男子生徒(16)が刺殺される事件があった。一緒にいた中学3年の女子生徒(15)に「逃げろ」と言った後、無言で近づいてきた男に首筋を切られ男子生徒は死亡した。
事件のあったのは午後10時40分ごろで、男子生徒路上で女子生徒と話をしていた。それを道路反対側に座ってじっと見ていた男が急に近づいて来て、気づいた男子生徒が「逃げろ」と女子生徒逃がしている間に刺されたらしい。
警察の調べによると、男は無言で近づき、背後から男子生徒の首筋めがけて刃物で数回切りつけたと見られる。男子生徒が抵抗した様子はなく、一瞬の犯行だったようだ。女子生徒は「見知らぬ男だった」と話しているという。
小太り、細い目、口髭の20~30代
一夜明けた5日の事件現場では、男子生徒の友人たちが手を合わせ、女性たちが花を手向ける姿が深夜まで続いた。その中に、危うく難を逃れた女生徒の祖母がいた。
「なんであんな良い子がと思うと…。今まで孫に良くしてくれてありがとうという気持ちでいっぱいです」
男子生徒の友人も「明るくて元気で、人ともめるようなことのない子だった」という。
男は年齢20代~30代、身長170センチ前後の小太りで、目が細く、口髭がある。
「男の姿かたち、顔の特徴はけっこう分かっているようですが」とみのもんたが弁護士の若狭勝(元東京地検特捜部副部長)に質問した。
「犯人検挙は3日以内になされると筋がいいといわれ、5日過ぎると難しくなるので、警察は一生懸命やっているでしょう」
あらめて安心・安全などと言ってはいられない「殺伐とした社会」の現実を思い知らされた事件だった。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト