犯人隠避の容疑で逮捕された大阪地検前特捜部長(57)の「技術と素顔」を検察同期の弁護士や検察OBらに語らせた。
「ユーモアがあって人の話を聞くのが上手い」(同期)
「人間的な温かみのある取り調べで相手の心を開かせた」(OB)
オウム真理教事件では、完全黙秘を続けていた幹部信者からサリンの製造工程を聞き出したという。「割り屋」としての評価が定着する。
いまは最高検が「自己保身」に汲々
コメンテーターの鳥越俊太郎(ジャーナリスト)は「だからエラクなったのだと思う」と言いい、2002年、検察庁の裏金疑惑を告発した大阪高検公安部長が微罪で逮捕、起訴された「三井環事件」に言及した。当時、大阪特捜部で取り調べた検事がこの前特捜部長で、「組織を守るためには正義の道を曲げてでもやらなきゃいけないときがあるという経験をして、今回も隠避せざるを得なくなったのでは」と推測する。
吉永みち子(ノンフィクション作家)は「自分の保身と組織の保身が一緒になって、守るべきことが何なのか忘れてしまったのではないか。今、最高検は迅速に厳しく対応しているように見えるが、きめ細やかに丁寧に深く検証しなかった場合、さらに大きな権力と自分たちを守ることになりかねない」と警告する。
大阪地検前特捜部長は「検察に未練はない」と話していると伝えられる。MCの赤江珠緒がそのことに触れ、ゲストの堀田力(弁護士、元東京地検特捜部副部長)に「どう受け止めますか」と尋ねる。
「ハラを決めたんですね。未練もっていると心を開かれてしまう。心を開かないぞと決めたのだろう」
堀田はそう話した。「最高検はたいへんそうだ」がスタジオの空気であった。
文
アレマ| 似顔絵 池田マコト