「同じ場所に行くわけでしょね、首脳同士もっとできないんですかね。当事者同士はともかくその周りとか…」
4日からブリュッセルで開かれるASEM(アジア欧州会議)首脳会合に向かった菅首相、中国の温家宝首相も出席する。
尖閣諸島沖の衝突事件。司会のみのもんたがこう呟いたが、日中首脳同士の話し合いの予定はなく、こう着状態のまま解決の目鼻は立っていない。
「チャイナスクール」首相官邸と綱引き
みのが「どうですか外務省は?」と、今回も存在感が全く見えない『外交のプロ』たちについて取り上げた。TBS解説室長の杉尾秀哉は「そこなんですよね。それが日本と中国の間にいまパイプがないといわれていることの裏返しなんですよね」
国際金融アナリストの末吉竹二郎が次のように怒りをぶちまけた。
「一番驚いたのは、プロの外交官の人たちが、日中関係でどういう事態を予想して、どういう準備をしてきたのか不思議でならない。準備があったとは見えない対応ですよね」
杉尾「今回、外務官僚が外されていて、外務省が心ならず思っているという話がありますが、外務省と官邸が綱引きしている場合でないと思うのですが」
番組がここまで触れるなら、外務省内でチャイナスクールと呼ばれ中国担当のプロたちを取材し、彼らが何を考えているのか踏み込んでもらいたかった。人脈も経験もないのに官邸主導もヘッタクリないと思う。
菅首相の対応「適切でない」7割
菅政権の今回の対応について世間はどう見ているか、2、3の両日(2010年10月)、JNNが電話による世論調査(20歳以上男女対象、有効回答1200人)を行った。
それによると、「適切でなかった」が72%に対し「適切だった」はわずか19%。「船長の釈放は政治的判断ではなく、あくまで検察の判断」と釈明している菅首相について、「納得できない」が81%、「納得できる」は13%。菅内閣を支持する人は民主党代表選直前より4.8ポイント下落し50.7%だったのに対し、不支持は4.5ポイント上がって48.0%となった。
今でも尖閣諸島沖には中国の漁船監視船がウロつき、「気がついたらかなりの数の中国側漁船が集まっている可能性がある」と、専門家は指摘する。
この事件の政府の対応で、一番困りはて、泣きたい気持ちでいるのは海上保安庁の第一線職員だろう。今後、中国漁船などが領海侵犯し、衝突などの暴挙に及んでも、果たして逮捕していいものかどうか。この政府の迷走ぶりでは判断に迷ってしまうにでは。